My important place【D.Gray-man】
第43章 羊の詩(うた).
「モヤシのイノセンスに傷付けられたってのは気に喰わねぇが、それもAKUMAとの戦闘で負った傷みたいなもんだろ」
それは…まぁ、考え方によればそうとも言えるけど。
「任務遂行しようとして負った傷だろうが。どこがみっともないんだよ」
──あ。
それ、その言葉。
似たようなこと、前にも言われたことがあった。
『お前が体張ってイノセンス守ったって証拠だろ。どこがみっともねぇんだよ』
あれは…ノアの聖痕がユウにバレそうになって、必死に抵抗して言い訳した時のことだ。
額の傷なんてみっともないから、見られたくないって。
そう言った私に、当たり前のようにそれを否定してくれた。
「だから隠すな。ちゃんと見せろ」
ユウの真っ直ぐな思いに、上手く言葉は返せなくて。何も言えないままでいれば、動きを制限されていた腕が解放された。
だけど肩を掴まれて、向かい合わせに体を向き直される。
前屈みな体はバランスを保てなくて、ベッドに背中から沈んでしまった。
決して強い光じゃないけど、蝋燭のように淡い光でもない。ゴーレムが発する白い光に照らされた、ユウの顔。
見下ろしてくる強い意志ある目と合って、言葉が詰まって、息を呑む。
たったそれだけのことなのに、捕えられたように目が逸らせない。
やがて私の顔から辿るように、目線が下がっていく。
留めかけていた胸元のボタンをユウの長い指がぷつりと外して、鼓動の速さが増した。
まるで初めてユウと体を重ねた時みたいな、そんな羞恥心。
今までこんな明るい所で、はっきりと肌を見せたことはなかったから。
ユウの誕生日には、そういうこともあったけど…あの時は、胸元は服で隠れていたし。
「…っ」
視線を胸元に感じて、つい目を強く瞑る。
下着姿を見られることより、胸の火傷跡への反応が気になって。
普段から眼力あるユウだからか、わからないけど…目を瞑ってても感じる視線。
恥ずかしい。
見られたくない。
せめてもの抵抗と目を瞑ったままでいれば。
「──?」
ふわ、と胸元に優しい体温を感じた。