My important place【D.Gray-man】
第43章 羊の詩(うた).
「っ?」
それがユウの手だと悟ると同時に、伸びた手がボタンを留めようとしていた私の腕を掴む。
動きを止められて、同時に背中に当たる温もり。
え、ちょっと。
「ゆ、ユウっ?」
振り返ろうとすれば、少し首を捻っただけで視界に映る端整な横顔。
背中を向けて椅子に座ってたはずなのに。
なんでベッドに乗って背後からホールドしにかかってきてるんですか!?
「跡、残ってたのか」
「ッ…!」
話せば首筋にかかるユウの吐息。
くすぐったかったけど、問題はその位置よりその言葉の意味。
位置的にはっきりとは見えていないはず。
でも確信あるユウの言葉に、つい恥ずかしさが増した。
頑なに隠し続けていたからか、ノアである証のようなものだからか、胸元という場所だからか。
多分どれも理由の一つなんだろう。
見られたくない。
「や、放して…っ」
強く掴まれた腕はビクともしなくて、放してくれる気配がまるでない。
「隠すなよ。その体のこと、全部話せって言っただろ」
「そうだけど…っやだよ、見られたくないっ」
「なんでだよ。恥ずかしいって意見なら却下だからな」
なんで。
と反抗したくなったけど、ずっとノアのことを隠され続けていたユウのことを考えれば、知りたいと思うのは自然なことなんだろう。
…とは思った。
それでも恥ずかしいものは恥ずかしいんだけど。
「み…みっともない、でしょ」
後ろから覗き込むユウの目から逃れるように、体を前屈みに倒す。
だけど両腕は掴まれてるから、火傷跡は隠せない。
「別に」
言い訳のような私の意見は、あっさりと否定された。