My important place【D.Gray-man】
第43章 羊の詩(うた).
「な、何がっ?」
「それは俺の台詞だ。何挙動不審になってんだよ」
思わず反射で手を引っ込めて、目の前のユウに笑いかける。
いつの間にかこっちを見ていたユウは、腕組みしたまま訝し気に眉を寄せていた。
「いや…ぁ、ありがとう、ね。ユウのお陰で火傷と皸、治ったみたいで」
そういえばお礼、まだ言ってなかった。
そう思ってありがとうと笑顔で言えば。
「話を逸らすな」
そう、ぴしゃりと問答無用で切り捨てられた。
…その洞察力の高さ、本当どうにかならないかな…。
そして見逃す優しさってものを偶には持つべきだと思う…。
「別に、逸らしたりなんかしてないよ。ちょっと…恥ずかしいだけで」
「なんだよ」
「だから、恥ずかしいんだって。……女子の事情です」
胸の間に火傷の跡があるなんて、ちょっとしたコンプレックスになりそうでしょ。
怪我なんて日常茶飯事で慣れてるけど、やっぱり場所が場所なだけに…私だってちょっとは、気になるし。
女子の事情だと言えば、訝し気にしていた顔をきょとんとしたものに変えて、ああと納得したようにユウは頷いた。
「月一の生理的なアレか」
「違うッ!!!」
なんでその結論に至るわけ!?
そしてはっきり言うなし!
デリカシーの欠片もない!
「んだよ、違うのか。排らん」
「その名称は駄目! 本当デリカシー皆無!」
その言い方は生々しいから!
綺麗な顔して本当雑だよねそういうところ!
「別に恥ずかしがることねぇだろ、生理現象なんだし。必要なら生理用品手配してやる」
「だから違うんだって…! あり難いけど今は必要ないから!」
だから生理生理言わないで。
確かにこんな檻の中で月に一度のアレが始まれば、大変だけど。
生憎、違いますから。
その気遣い、今は必要ありませんから。
納得したように話進めるのやめて本当。