My important place【D.Gray-man】
第43章 羊の詩(うた).
それから一度はノアのことを隠し通そうと決意して、でも想いが通じ合えたユウには伝えようと後に考え直したこと。
ジャスデビに出会って彼らのノアメモリーを流し込まれ、夜中に勝手に体がノアへと変貌したこと。
生々しい額の十字傷は消えたけれど、覚醒に似た現象が起きて再びはっきりと見えた白いノアの人影のこと。
パリの任務地で私がユウにノアの姿を曝け出すまでの全てを、事細かに伝えた。
感情的に話すと言葉が詰まってしまいそうだったから、なるべく淡々と、任務後の報告をコムイ室長にするような感覚で。
それでも時々、言葉はつっかえた。
目線も下がって、ユウの目を見続けられなかった。
その時々で感じた不安や混沌としたものを思い出して。
傍から聞けば、上手く説明のできていない辿々しいものだったと思う。
それでもユウは黙ってじっとこちらを見据えたまま、静かに耳を傾けてくれていた。
「──あの時、聞こえた…"オハヨウ"って声が、誰のものなのかわからなかったけど…多分、それがきっかけだったんだと思う。…気付いたらジャスデビに会った日の夜みたいに、体がノアのものに…変貌してたから」
「……」
「その後のことは……ユウも知ってる通りだよ」
その後は教団への帰還。
そして私の戦犯被疑者確定への道。
そこまで話す気にはなれなくて、口を閉じる。
ずっと話し続けていた言葉を切れば、張っていた気が緩んだかのように、大きな溜息が零れ落ちた。
でも気は抜けない。
黙り込んだままのユウの反応が気になるから。
どう思ったのかな……呆れたりしたかな。
何度も言おうとしては言えなかったこと、怒ったりするかな。
「……」
恐る恐る、顔色を伺うようにユウの顔を見つめる。
見えたのは、最初と変わらない表情でこちらを見てくる二つの瞳。
沈黙。
そして──
最初に行動を見せたのは、ユウの方だった。