My important place【D.Gray-man】
第43章 羊の詩(うた).
体の震えが収まると、次に自分が何をすべきか。それを思い出して、目の前のユウを見上げた。
…話さなきゃ。
ずっと伝えないと、と思っていたノアのこと。
「…ユウ、あのね…ずっと伝えたかったことが、あるの」
「……」
なんのことか、詳しく説明せずとも伝わったらしい。ユウは一歩身を離すと、軽く顎を退いてベッドを指し示した。
座って話せって、そういうことなのかな。
──ギ…
引かれた椅子の脚が、石の床と擦れて音を立てる。
ベッドに腰かけた私の前に、引いてきた椅子を置くとドサリとそこにユウは腰を下ろした。
真正面から向き合う形に、少しだけ緊張する。
「話せよ、最初から」
「…うん」
全部聞くって言ってくれたんだ。
一から全部、伝えなきゃ。
膝の上に置いた両手を握って、意を決して口を開く。
ちゃんと目の前のユウに顔を向けたまま。
始まりは…そうだ。
きっとあそこから。
「私もはっきりとは断言できないけど……多分、最初はあれだった」
初めて見つけた、額の不可思議な十字傷。
あれがきっとそうだ。
「ユウとAKUMA討伐の任で、ミュンヘンの墓地に行った時」
そうして私は話し出した。
自分の身に起こった、ノアの現象を。
──全て。