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My important place【D.Gray-man】

第43章 羊の詩(うた).



 思わず真顔で言えば、急にユウはぴたりと動きを止めて黙り込んだ。

 あ…これは図星だな。
 お酒飲んでたんだな。
 そしてそこに後ろめたさでも感じてるんだろうな。
 珍しく罰が悪そうな顔で、無言で目を逸らしたから。

 あんなに真っ直ぐ射抜くように見てくるユウが、気まずそうに目を逸らしてる。
 ……ある意味、貴重で面白いかも。


「お酒飲んでたの?」

「……偶々だ」


 言い訳のようにも感じるユウの反応に、思わずくすりと笑ってしまう。
 すると私の反応が意外だったのか、ぱちりと睫毛の長い切れ目が瞬いて視線が戻ってきた。
 別に、怒ったりなんてしないよ。


「ユウってお酒飲むんだね。知らなかった」

「…偶に」

「何飲んでたの? 結構匂うけど」

「…悪い」

「なんで謝るの。別に怒ってないよ」


 コムイ室長に許可を貰ってなくても私の願いを聞き入れて、こうして会いに来て今の私と向き合ってくれた。
 それだけで充分だから。

 偽りない本音を伝えれば、ユウの目がまたぱちりと瞬く。
 それから、少しだけ沈黙を作って。


「…テキーラ」


 まだ少し気まずそうな表情をしてるものの、飲んでいたお酒のことを教えてくれた。

 …というかテキーラって。
 そんなアルコール度数高そうなもの飲んでたの。
 それ、初心者用のお酒じゃないよね?


「昔から、偶に飲んでた。ジェリーに貰って」


 エクソシストとしてストイックなユウは、お酒とか煙草とか博打とか、そういう娯楽には興味ないと思ってたから。
 昔から、という言葉に驚いた。
 元々普通の人とは違う体だから…お酒の影響とかも違うのかな?

 教団は国籍が皆バラバラな組織だから、お酒の法律も国によってバラつきがある。
 だからそこら辺の教団内での規則は緩い。
 自己責任って感じで、ジェリーさんも寛大だったりする。

 ラビなんかも当たり前に大人に混じって飲酒したりしてるし、私も偶にファインダー仲間に混じって飲み会に参加してた。
 でもユウと飲んだことは一度もない。
 多分ユウのことだから、一人酒してたんだろうな。
 絡まれるの嫌がりそうだし。

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