My important place【D.Gray-man】
第43章 羊の詩(うた).
檻に入れられて暫く眠った後、私はコムイ室長と面会した。
家族のことで責め立ててしまったことや、室長が私とユウが相性が良いと言った内容は胸の内に潜めて、それ以外のことは全て伝えた。
ラビとブックマンが記録として私を観察に来たことも。
そこでユウに会わせて欲しいと、私が頼み込んだことも。
その後ユウを待っていた私の元に現れたのは、ルベリエ長官と謎の鴉達。
その名を出せば、ユウの表情は途端に険しいものへと変わった。
それ以降の話は…どんどんユウの顔が怖くなって、話してるこっちが怒られそうで冷や冷やしたけど。
ユウは合間に何も言葉は挟まず、静かに耳を傾けてくれていた。
「この体の怪我は…その時、イノセンスに拒絶されて…焼かれた、もの……だと思う」
思う、という曖昧な言い回しはしたけど、確信はあった。
昔に経験した適性実験での、あの嫌な感覚と同じだったから。
「ヘブラスカ自身も驚いてたから…故意にやったものじゃないと思う。多分、私の中にある…ノアに、反応して…勝手に発動したんじゃないかな…」
「……それで、」
そこで初めてユウが口を開いた。
「そのノアの力ってやつは、扱えるようになったのか」
「……」
無言で首を横に振る。
私の体内に何か知らない力が宿っているのは、もう充分感じてるし理解してる。
でもそれを操れた試しなんて一度もない。
いつも好き勝手に表れては、私を振り回して消えていく。気紛れで厄介な能力だ。
「…そうか」
私の反応に、ユウは静かに一言、それだけ。
でもほっとしたように、小さく息をついていた。
…なんだろう?