My important place【D.Gray-man】
第43章 羊の詩(うた).
「まさか…勝手に来たの…っ?」
「…んだよ勝手にって。俺を望んだのはお前だろ」
そうだけど。
でもそれじゃ駄目だ。
不機嫌そうに返してきたユウの態度が物語っていた。
恐らくユウは、コムイ室長の許可なく此処に来たんだ。
「だ…駄目だよ…っそんな勝手なことしたら! 勝手に此処に来たことがバレたらどうなるか…! 帰って、今すぐッ」
「はぁ? 何言ってんだよ」
「いいから出てって、此処から!」
警護班の人達は多分、ユウの手でのされてしまったんだろう。
それだけでも充分反逆行為になる。
ユウはよく仲間にも手を上げる人だけど、時と場合による。
これは完全にアウトものだ。
ユウに会いたかった。
ちゃんと話したかった。
それは私が何より望んだものだけど、同率で望んでいることが他にもある。
生きることに希望を抱いたユウから、その生き場を奪わないこと。
折角笑って立っていられるようになったのに。
世界も捨てたもんじゃないって、言ってくれるようになったのに。
そんなユウの生きる場所を、私の所為で失くすなんて。そんなこと絶対に嫌だ。
「来いっつったり出てけっつったり、なんなんだよ」
「いいから、とにかく此処から出て…! 話はそれからするから!」
とにかく今はユウをこの場から追い出さないと。
私と二人きりでいる姿なんて教団の誰かに見られたら、最悪ユウも敵だと疑われてしまう。
今すぐ背中を押して追い出したいくらいだったけど、誰に見られるかわからない状況で近付くこともできなくて。
部屋の隅に後退りながら叫べば、逆にユウは足を踏み出してきた。
え。ち、ちょっと。
なんでこっちに来るの…!