第7章 ???の姉《後編》(逆転裁判)
「なるほど…………ね」
千尋は顎に手を当てて考える。
「もうどうしたらいいのか……」
「ナルホドくん。
前にも言ったけど弁護士はピンチの時ほどふてぶてしく笑うものよ。
それにあなたはもう決定的な証拠を持っている……いや、証拠が来るのを待たなければいけないわ」
「決定的な証拠?」
千尋の言葉を成歩堂は聞き返す。
「菜々子ちゃん。
彼女がこの事件を解決できる唯一の人物よ」
「それじゃ狩魔検事の行方不明のお姉さんは……!」
千尋は静かに首を横に振った。
「それは私の口からは言えないわ。
彼女が決めることだから。
休憩が終わったら鞭職人の証言なんでしょう?
逆にその職人の証言を崩せたら狩魔検事の無罪への一歩へなるわ。
応援してるわナルホドくん」
千尋はそう微笑む真宵の体から出ていった。
「職人の証言を崩す………」
成歩堂は千尋のアドバイスを胸に真宵とともに法廷へと向かうのであった。
「これより法廷を再開します」
裁判長はそう言って木槌で机を叩いた。
「さて、弁護側から凶器は本当に被告人、狩魔 冥のものかという疑問が提議されました。
検察側は凶器が誰のものか証明してください」
「わかりました。
では、鞭職人のガンコ ヒトスジさんです」
亜内検事の紹介で証言台に現れたのはのは頭にねじりハチマキをしたいかにも職人という格好をした厳つい容姿の40代ぐらいの男だった。
「ガンコ ヒトスジです。
オヤジから店を継いで1年。
まだまだオヤジから怒られる未熟者です」
その厳つい容姿からは想像がつかないほど弱々しい声と喋り方だった。
(なんだかこの証人を見てるとトノサマンのあの人を思い出すな……)
成歩堂はそう思いながら証人を見ていた。
「ガンコさん、この凶器の鞭は間違いなく被告人のものだと証言してください」
亜内検事は自分のオデコをペシペシ軽く叩きながら言った。