第16章 空の上 海の中
イリスは、容態が回復したので医務室から客室に移る事になった
グレイスの事は心配だったが、医者ではない自分が出きることは無いと言われ、彼らに任せる
男を心配するイリスの様子に、ローは嫉妬を覚える
ローは、容態が急変した様に見せかけ、男の方を始末しようかと考えたりもしたが、先ほどのイリスの医者としての自分を信じきった目と、言葉によりその気は削がれていた
(今は治療してやる、全ては治ってからだな………)
三人は医務室を出て客室に向かう
随分暗い
今は夜なのだろうか………
だとしても月明かりも、なにもない
四方を壁、床、天井に囲まれ、全く陽の光が入って来ない通路を歩いているイリス
ランプの光が揺らぎ、足元の影も揺れる
「あの………今は何時頃ですか?」
申し訳ないそうに時間をたずねる
長く眠っていたせいで時間の感覚がわからない、夜中に目覚めてしまったのだろうか?
「さっき昼飯終わったとこだから、2時すぎぐらいッスかね?夕飯の時にはイリスさんを皆に紹介しますから」
昼間にしては暗すぎる、しかし他に気にもなる事が………
「はい………でも、なんで私の名前知ってるんですか?」
名乗った覚えは無い、命の恩人に名乗っていないのも失礼だけど、タイミングを逃してしまったので仕方がない………
「お前賞金首だろ?あの手配書有名だからな」
前を歩くローが振り返り、意味深な笑いをイリスに向けた