第16章 空の上 海の中
「ッ~~~!!」
あれを見られていたのか………いや、手配書なのだから当然だけど
恥ずかしさや、情けなさで、顔に熱が集まっていく
よりにもよって命の恩人にあんな物を見られていたなんて………最悪だわ
「あの……その……あれは誤解なんです、間違いっていうか………」
あの手配書を実際見た人に会うのは初めてで、なんともバツが悪いイリスは、モジモジと落ち着かない
そんなイリスをじっと見つめる二人
イリスは自分の手配に至る経緯と、無実をしどろもどろになりながらも、説明した
そして、あの手配書を直ぐに捨てて欲しいことを伝えると、後ずさりながら来た道を戻っていく
「あの………私……医務室で大丈夫ですからッ!」
恥ずかしさが限界に達したイリスは、二人の視線から逃げたくて、背中を向けて走りさって行った
ローとペンギンは呆気にとられていた
あんなにも妖艶な姿で手配書に載っていた本人が、見た目に反して純情で、うぶで、世間知らずな少女だったのだから……
確かに医務室での天然ぶりで、写真の印象とは違うとうすうす感じていたが、あそこまでとは……
「ってことは、手配書は事実無根ってことですよね?」
「どうだかな、あいつの話が本当ならばってとこか……」
「絶対本当ッスよ!もし、あれを演技でやってたなら相当な……」
「相当な性悪女だな」
ペンギンの言葉を引き継いでローはニヤリと笑う
もちろん二人ともイリスの言ったことを、全て頭から信じている訳ではない
しかし、嘘をついていたり、演技でも無いことはわかる
イリスが走って行った方向を見る二人は、
「かわいそうッスよね~」
「…………」
「6000万ベリーなら賞金稼ぎも、わんさか来るでしょうし」
「…………」
「海賊とかも狙ってきますかね?」
「…………」
「生け捕りってのも気になりません?」
「…………何が言いたい………」
「単に心配だなぁって思っただけッスよ」
「…………」
「…………」
何を考えているのか、お互い探りあう
そんな沈黙を破ったのは遠くから聞こえたイリスの叫び声だった