• テキストサイズ

セイレーンの歌【ONE PIECE】

第48章 欠けた力




話し終えると、2人はしばらく沈黙していたが、やがて納得したように頷く。

「ああ…。お前がたまにキラーにしていた治療ってのは、そのことだったのか。」

「どうりでな。食事もろくに摂れんのに、時折キラーが体力を取り戻すのが、妙だと思っていた。」

モモは2人の不在を狙って、キラーに癒しの歌を唄っていた。

ほとんど焼け石に水のようなものだったが、それでも2人は、その変化をしっかりと見抜いていたらしい。

「なるほど、政府が求めるわけはそれか。」

実際、ホーキンスは過去にモモが攫われるのを目にしている。

「ホワイトリスト…。政府の連中、くだらねぇことを考えやがる。」

それぞれの感想を述べるが、当然2人にモモをどうこうしようという考えはない。

こんなことなら、もっと早く打ち明けて、歌の可能性に賭けるべきだったのではないか。

「寄生虫を殺せる確証はないけど、試してみる価値はあるでしょう?」

実際に力を目にしたことがない彼らには想像しにくいだろうが、モモにとっては素人がオペをするより、ずっと成功率が高いように思えた。

「お前の力を信じるわけじゃねぇが…、試してもいい。」

キッドは任せてくれる気になったようだ。

第一関門は突破した…と喜びかけたが。


「俺は、反対だ。」

「え……。」

まさか、ホーキンスに反対されると思ってもみなかった。

「どうしてですか。」

信用に足らなかったのだろうか。
ショックを隠しきれずにいると、ホーキンスは「そうではない」と首を振る。

「モモ、禁忌とされているものは、それなりに理由があるものだ。簡単に破ってはいけない。」

反対した理由は、至極まっとうなもの。

「先祖の教えを、疎かにしてはならん。」

占いや儀式に精通したホーキンスだからこそ、その重大さが身にしみているのだ。



/ 1817ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp