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セイレーンの歌【ONE PIECE】

第48章 欠けた力




そもそも、モモとメルディアが親友だというのも謎すぎる。

タイプがあまりにも違う2人が、どうやって友達になったのだろうか。

「お前とモモは、どうやって知り合ったんだ。」

通常、人の過去になど微塵も興味が持てないローだが、モモのこととなれば話は別だ。

疑問に思ったことを、そのままメルディアにぶつけてみる。

メルディアはそんな質問に少しだけ驚いた。
その反応の中に、傷ついたような表情があったと思うのは、自分の勘違いだろうか。

不審に思う前に彼女はその表情を消し、いつものように笑みを浮かべた。

「私が海賊だった頃、セイレーンであるモモを狙ったことがあったのよ。友達のフリをして、油断させてね。」

愚かな行いだった。
初めてできた同性の友達に喜ぶモモに、ひどい仕打ちをしたのだ。

メルディア自身、略奪王に利用されていることを知っていながら、どうしても抗えなかった。

「でも、目を覚まさせてくれたのは、騙されていたはずのモモだったわ。」

彼女の真っすぐな想いが、メルディアの心を打った。

私も、モモみたいになりたい…。

己を見失わず、ひたむきに生きる理想の姿が、そこにはあったのだ。

(でも、それは無理ね。)

いくら光を追い求めても、自分は汚れすぎた。
彼女のようにはなれないだろう。

だからその代わりに、モモには幸せになってもらいたい。


モモとの出会いを大まかに聞いたローは、違和感に首を傾げる。

ざっくりとした話のわりに、頭の中ではその光景が鮮明にイメージできるのだ。

まるで、その場に自分がいたかのように。

「…俺といい、お前といい、アイツの周りには厄介者が集まるらしいな。」

「あら、あなた自分が厄介者だって自覚があったのね。」

メルディアの返しにムッと口を引き結んだが、実際自分ほど厄介な男はいないと思う。

性格が曲がってある自覚はあるし、好きな女ができれば、こうも心が狭い。

目の前にいる彼女の親友にすら、おもしろくない感情が生まれる。

自分の知らないモモを、当たり前のように語るメルディアの存在は、どうにも気分が悪い。

(これが嫉妬か…。)

その気持ちの正体を知って、うんざりとする。



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