第1章 好きな人と、体を重ねる人
「俺もだよ。淫行教師なんて噂がたっても困るからね」
松山先生は冗談ぽく言って目を細める。
私は松山先生が女の子から人気があるのは若いからだとか、顔が綺麗だからだとかそんな理由だけじゃない様な気がした。
先生は話し方も表情も全部が暖いのだ。
同年代の男の子には絶対にない余裕も持ち合わせている。
「…訊かないんですね?」
「ん?」
「泣いていた理由」
そう思ってしまったからだろうか、私は自分から先程の泣いていたわけの話を始めようとした。
松山先生は真剣な顔の私に吹き出して少しだけ声をあげて笑った。