第1章 好きな人と、体を重ねる人
「ちょっとは落ち着いた?」
優しく微笑む彼に小さく頷く。
「ならよかった。あやだって気付いたらすごい泣いてるからどうしようって少し焦ったよ」
困ったように眉を下げる先生に私も同じような表情をしてしまう。
理由を訊かれたらなんて答えようか。
彼氏がSEXをしてくれない、だなんて恥ずかしくて言える訳が無い。
「あ、今日のことは秘密な」
どう誤魔化そうかと考えていると松山先生は思い出したようにそう言って、二人だけのと小さな声で付け足した。
「もちろん。先生の家に上がったなんて知られたら私、何されるかわからないです」
くすり、と笑みを零しながら答える自分に、こんな返しができる程には感情が落ち着いたんだなと思った。