第1章 好きな人と、体を重ねる人
松山先生の家は歩いて5分程の所にある白い小さなアパートだった。
そこの1番左側が彼の部屋のようで、先生は鍵をあけてドアを開くと私を先に中へ入れてくれた。
玄関からすぐに台所があり、その奥に寝室に繋がってるであろう扉があった。
「狭くてごめんな。奥入って適当に座ってて」
私は言われるまま靴を脱ぎ部屋へ上がると、白い木製のドアを開ける。
寝室はそんなに広くはないが、松山先生の香りに満ちていた。
黒のカーテンと同色のカバーがかけられたベッド。
ラグのひいていない床には四角いローテブルが置かれている。
「座布団ないんだ。床冷たいかもだけど座っててくれ」
「…はい」
後ろでコンビニの袋をガサガサ言わせながら冷蔵庫を開ける松山先生の姿をちらりと振り返りながら小さく返事をする。
私が足を止めたのは、むき出しの冷たい床に座るのが嫌だったわけでなく、ここが男の人の部屋だということに気付かされたからだ。