第2章 新しい景色達
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(妙美さん、どうしちゃったんだろう・・・)
少し遅れて学校にやってきた彼女は、私が最後に見た時と随分違った。
話を聞けば「寝てないんだー・・・」と言うばかり。なんで寝てないのかを問えば「・・・身から出た錆・・・」とだけ言う。
彼女の姿は見るだけでもう"身も心もボッロボロです!"というのがわかる。なんでこんなに分かりやすいのに口を紡いじゃうかな。信用されてないのかなぁと少し落ち込みそうになる。
しかしこんな体調でも泳ごうとするだなんて、よっぽど楽しかったんだろうな。
昨日彼女に心底喜ばれた時は嬉しさと恥ずかしさで顔が熱くなった。
お父さんが早くに亡くなってしまってお母さんとお兄ちゃんだけになってしまった私にとって、甘えられる人、というのは人生の中で希少価値が高く貴重な存在らしい。
私は妙美さんが大好きだった。
暗い顔の今日の彼女は泳いでいる間だけはちょっとだけ、明るい感じがした。
(さて、と・・・そろそろ止めないと)
そう思った私は、今まさにプールを上がろうとしていた妙美さんの元へと急いだ。
彼女は私をちらりと見ると、「・・・また?」
「また、です。きゅーけーたーいむ」
甘えられるし安心できるけれど、世話がかかる時もある。
早く、いつもの明るい顔になって欲しいなぁ・・・と思うものの、こういう時にこの人を支えられたらとも思うのです。
「はぁ〜い・・・」
昨日と同じベンチに2人ならんで座る。
横顔を見てみれば、目が軽く死んでいた。
「あの、今日はもう泳ぐの控えた方がいいんじゃないですか?」
「え?どうして?」
「明らかに顔疲れてますし・・・それに午後からはちょっと遠出するんですよ?」
「ごめん。やだ」
即答・・・。
「体調崩しでもしたら大変です!何ならマネージャー権、それが効かないなら部長権を活用してまで止めますよ!」