第2章 新しい景色達
「ん?んー・・・何も。そういえば黙ってたなぁ」
あと、海の中で何か見たかって聞いてきたけどあれは凛さんにも見えてたのだろうか。
近くに鮫がいたとしたら、さすがにあの肉体でも倒せる相手じゃないし・・・。
「よく怒鳴られませんでしたね!・・・あぁ、でも・・・」
彼女の顔が真剣なものへと変化する。
「?どうしたの?」
「いえ!なんでも!」
「?あ、そうだ。お兄さんにもし電話する時あったら、私が溺れてた時鮫を見たかって聞いといて」
「鮫・・・?って、また溺れたんですか!?」
「あれ、言ってなかったっけ・・・」
「言ってません!大丈夫なんですか?!気を失ったんですか!?」
バンと大きな音を立て掌を机につけ立ち上がる。
う、うわぁ怒ってる顔もちょっと似てる・・・。
店内の客の視線が一点に集まっているのに気がついて、彼女に咳払いしてそれとなくそれに気付かせ座らせた。
彼女は恥ずかしがりながらいそいそと席に戻る。
「今回は不可抗力。それと話は戻るけど怒鳴られたのは私が癇癪起こす前」
「そうですか・・・・・じゃあお兄ちゃん、一方的に怒鳴り出したんですか!?」
「怒鳴るってよりは苦情・・・?」
「苦情・・・?」
ここで嫉妬だどうのの話をしたら、次こそ偶然あった時ぶん殴られてけちょんけちょんにされそうだ・・・。おおっと寒気が。
本人に聞いた方がいいと諭すと、彼女はそれにはい。と返事をする。明らかに渋々、と言った感じだが良かった。これで私の死亡フラグは免れた。
・・・そういえば彼の学校はどこにあるんだろう?寮生活だって言っていたし、あの海岸線で会うって事はそう遠くない距離だろう。
考えを巡らせていると、前方から声をかけられた。
「ところでさっき言ってた鮫って?」
「んー、恐らく幻覚かもしれないんだ」
「あの本当に大丈夫なんですか?病院とか・・・」
「おいなんでそんな可哀想なものを見るような目をしているんだね君は」