• テキストサイズ

イルカとアリス 【free!/ギャグ/遙オチ】

第2章 新しい景色達



はぁ、と一息ついて床に投げ出された鞄を持つ。

とりあえずお昼ご飯をお腹に入れようと鞄を自室に一旦置いて、冷蔵庫の中にいざという時のため買っておいたレンジで簡単生パスタを取り出した。

さて、とレンジの扉を開けると、またも汚れ切ったシンクが目についた。


近頃、こうして使われた食器達がこうしてシンクに放りっぱなしになっている光景を見るようになった。ここに来た当初はそんなこと全然無かったのに、ここ1週間程度このキッチンの様子は少々異様だ。


はぁ、とまた息を着く。
レンジの中にパスタのカップを入れて置いて、私はまたこのシンクを以前の姿へと戻すのだった。


乱雑に積まれた食器を手にとっていく。

ってまた鯖だったの?!





***






「よし、こんなもんかな」


一人分の食器を片付け終え、シンクの表面も軽く掃除した。ちょっとこするだけでこれだけ見違えるものなのかー、と己の働きっぷりに少し感心した。今度、なにかいい掃除器具でも仕入れてこようか・・・。彼がこの水周りを手入れしていないのが気がかりだ。

あの水中毒の水偏愛(?)者が、こういう場所を粗末にするかな・・・。


小さな疑問に頭を捻らせていると、ゴソゴソという音が聞こえた。
七瀬君が起きたのだろう。

私はバジル風味のパスタをチンすることなんてすっかり忘れて、緊張しながら居間へと向かった。


扇風機に怪訝そうな顔を向けながら、七瀬君が髪を揺らしていた。私が現れた事に気付くと、ゆっくり顔を此方に向ける。
寝起きならではのボヤけた顔が彼に残ったあどけなさを思わせて少し鼓動は落ち着いた。
しかし彼は私にしっかりと視線を向けている。結局あどけない寝ぼけ顔はいつも通りの仏頂面と変わりなかったということだ。


彼の前に正座して座る。


「あ、あの・・・」


まだ意識が朦朧としているのか、それとも話を聞いてくれているのか・・・。顔を伺うと、彼は立ち去ろうとはせず私の怯えた目線をただ見ていた。


「・・・ん」


どうやら微かに耳に届いてはいるらしい

いや、でも意識がしっかりしてる時に謝らなきゃだめだろうか?あとあと謝ったのにまだ怒ってるだなんてと言って怒ったって、本人の記憶の中に薄っすらあるだけになってしまっていたらそれは私が悪いだけだ。

/ 158ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp