第2章 新しい景色達
遠くなって行く彼の顔を見る。こんな暑いっていうのに涼しい顔だ。眉一つ動かさない、不動の表情だった。
今朝は親切を恐らくしていただいたわけだけど・・・やっぱり表情が岩より硬くて、少し怖いと思ってしまった。
彼との距離が未だに掴めない。
・・・そういえば私頭の片隅辺りに埃かぶっていたけど、私は彼に酷いことして謝ってもいないんだった。
・・・・・・って、私、すごく機嫌がいいけど真琴君も傷付けたままじゃん・・・。
タイルの上に足を着けると足の裏が生温かくなる。
熱いタイルだと下を見ていると一つの影が私の視界を横切って行く。誰かと思いその影の主を見る。
「あ・・・」
翡翠色の瞳がまたも私の視線をすり抜けて行く。
もう・・・タイミングが軽く神がかってるよ・・・。
***
「お疲れ様でしたー!」
江ちゃんのその声で、私達は散り散りとなった。
私は江ちゃんと帰ろうと思ったけれど、今日は鍵当番意外に学校に用事があるらしく1人で帰ることとなった。
今日は半日で終わり。まだ眩しいままの白い太陽と、真っ青な空が元気そうだ。
(ひえぇ〜・・・こんな早くに帰ってどうすんの。)
校門を出て、とりあえず家とは違う方向へ歩く。
あの事を思い出すとやっぱりちょっと帰りにくい。公園は暑いけど気まずさプラスαよりはマシだ。
(あ、そうだ!アイスでも買って、公園に寄り道しよう)
逃げるのはよくない、よくないけどちょっと休憩も兼ねて。
言い訳をつけながらも、早足でコンビニのクーラーを目指した。
今日は少し風がある。夏!太陽!青空!!
・・・ここまで清々しいのに、何で私の心はdeep blue・・・(巻き舌)。
私って元々、ここの世界の人間じゃ無かったんだっけ。でもそんな事なんて、こうやって少し陰鬱な時にしか思い出せないほどだ。
ここに来てもうどれぐらい経つだろうか。
渚君も怜君も江ちゃんも、一個下なのに大人っぽい瞬間がある。私が困れば助言をくれ、落ち込むそぶりを見せれば応援をくれる。
私は彼女らに何かしてあげられるんだろうか。
凛さんと言い合いをした時に言われた、甘えているということば。私はそれを笑えるほど具現している。