第2章 新しい景色達
恥ずかしくなる。
俺はと言うと、今だにナイーブに彼女の反応一つ一つを伺いつつこうして毎日部活に来ている。
彼女はそれには気づいてないみたい。それが救いだった。
「妙美、楽しそう・・・」そっと口から零れる。
「マコちゃん?」
「へっ!?あぁぁ、えっと何?」
ボンヤリとしていたところに突然明るい声が入ってくる。戸惑った俺は咄嗟に変な声を出してしまった。
微笑んでみたものの、引きつっていないか心配だ。
ばれても困りはしないけど・・・。
なんとなく、彼女に引け目を感じていることを知られるのが嫌だった。慎重なのかも。
「なんかボンヤリしてたから、ちょっと」
「あ、そっか。ごめん、次行くね」
「ううん!それは大丈夫なんだけど・・・最近、ボーッとしてること多いけどどうかした?」
キョロリとした目が俺の顔を心配そうに覗き込む。
ギクリ・・・。大きなその目は全て見えてるんじゃと思う時がある。
「大丈夫、大丈夫!」
急ぎ足で再び、塩素の匂いのするプールへと向かった。
***
水面がキラキラ光る所が綺麗だ。クロールの手の合間から見える波の揺れで、一緒に太陽の光が揺らぐ。私・・・泳ぎながらこんな事考えたこと無かったっけ。
ビート板を一頻り終えた私は、すっかり疲れきった足も気にせずクロールに専念していた。バタ足って何かコツがあるんだろうか・・・そういえばバタ足の理論について聞いたものの実際やるのは難しい。
(うーんと・・・足首は柔らかいイメージだっけな・・・それで流れるように、うーん?あってるのか?)
プールの壁に刺し当たる。
水とは違う冷たさを持つコンクリートに手をついて、ふぅと一息ついた。
「なんか・・・納得いかない・・・」
真剣に理論から入ると、あっているのか分からない。ただ、がむしゃらにやっている時とは違う何かを感じていた。
(さて、あがろ)
太陽の照りつけるタイルへと上がろうとジャンプしする。
・・・と。
「よいっ・・・うぉぁあ!?」
目の前にズンと誰かの影が現れてビックリしてプールへと落ちる。
慌ててゴーグルを取ると、七瀬君が歩いていった。
(見られていたのかな・・・)