第2章 新しい景色達
この質問が来ることは分かっていた!!!
彼に言うべきか言わぬべきか・・・、予想出来ていながら、私は返答一つ考えちゃいなかった。
何と無く言いにくくて、逃げるように顔を逸らす。
不安そうに上目遣いで私の顔を覗き込んでくる。ポメラニアンを錯覚させるような姿だった。
うっ・・・!
「実はー・・・その、・・・」
「うん」
「七瀬君のジャージを借りてたんだけどね」
「ハルちゃんのを?」
「そう。それでね、不手際で・・・膝を、破いちゃって・・・」
「あー・・・それはー・・・だいぶまずいね」
やっぱりか・・・。真琴君の家でみた、スイミングスクールでの集合写真に渚君はいた。彼もおそらくあの仏頂面をよく知る一人なのであろう。
で、あるならば、この反応が来るのはあまりにも当たり前だった。
「ハルちゃん・・・気難しいから・・・」
「うぅ・・・やっぱり・・・?」
情けなく頭を持ち上げて彼を見る。渚君は困った笑顔であははと言った。
「まぁなんとかなるよ!買い直すんでしょ?」
「そうだけど、なんとかなるって・・・そ、そうかな・・・」
「ね!お店行こっ!」
そう言って私の手を強引に引いて行った。
小さな弟が出来たような感覚に、私は少しだけ心が落ち着いた気がした。
***
私は女子のジャージのことならよく知っていた。色々なデザイン、型があって、目を回したものだった。
・・・まさか男子も同じだとは、思わなかった・・・!
ひえぇぇぇええ・・・どうしよう、どれがいいのか全くわかんないよ!!
そうだよ、女子であんなに色々あるのに男子が少ないわけが無いじゃない!女子はデザイン性を気にして男子はそこまでそういうのはないだろうなんて考えが浅はかだった!!
「ふ、不覚!陽野、一生の不覚・・・!!」
「うーんと、ハルちゃんはぁー」
「分かるの?」
「ばーーーーっちり任せて★」
凄く不安だが・・・ここはよく知る人に任せた方がいいのかもしれない。
心配になりながら彼の水着を探る足取りにただついていく。
ーそれから早30分ほど・・・。