第2章 新しい景色達
「何やってんのあの人達・・・」
「おしくらまんじゅう・・・ですかね」
気が付くと男子達も休憩に入ったようで、今はプールの向こう側で全員でおしくらまんじゅうをしている。声を荒げて「おーしくーらまーんじゅーおーされーてなーくなぁぁああ!!」と叫びながら。
・・・いやおかしいだろ。
「なんでおしくらまんじゅう・・・」江ちゃんが呆れ顔でそう言った。
「多分渚君とかの提案だろうね・・・」
今日は真夏というのに少しだけ涼しい。
さっきの風でそう思った。
さしずめ少し肌寒く感じて『じゃあおしくらまんじゅうしようよー!』とか渚君あたりが(っていうかむしろ渚君が)提案して少し暖まるならと怜君を除いた全員が同意したってとこかな・・・。
まぁ暖まるけど、おしくらまんじゅう暖まるけど。
「なんだろう、あの絶大な違和感」
「でもおしくらまんじゅうで躍動する筋肉美もなかなか・・・オプション、滴り落ちる汗・・・」彼女が卑しい笑顔と一緒に涎を垂らしながらそう言った。
「おい戻ってこい江ちゃん!欲情するところじゃないはずなんだ今は!」
その呼び声でハッとなった江ちゃんは涎を拭う。
「た確かに、真夏におしくらまんじゅうって異様な光景ですよね」
「うん。それで涎垂らしてる女子高生の方も負けず劣らず異様だよ、断っとくと」
「えへへー・・・」
しかしながら彼女の発言にだいぶ触発されつつあるという事実はあった。
さっき彼女がそう言った時全くその煌びやかな汗に興奮を感じなかったといえば嘘になる。
「・・・もー、私もだいぶ江ちゃんに毒されてきちゃってるよ・・・」
「あ!批判しといて実はさっき私が言ったこと共感したんでしょー!」
「一瞬ね!本当に一瞬ね!?・・・あー天方先生さんがいたらもうちょっと毒されなかったかもしれないのに」
そういえば、天方先生さんって水泳部の顧問なら見ていなくていいんだろうか。
今のところ私がここにいる時に見た覚えがない。
私がそんな風に思考を巡らせていると隣から不服な声が聞こえた。