第2章 新しい景色達
あの憧れに近付く、方法・・・。
「おっはよー、ゴウちゃんとたえちゃん!」
「おはようございます」
やはり先にプールサイドに出ていた渚君と怜君に、私達は挨拶を返す。
「あ!そうだ、怜君何かないの?」
江ちゃんが唐突に彼にそう聞くと、怜君は当然訳がわからずはぁ?と言いたげだった。
私は彼に新しい練習方法を見つけたい旨を伝えた。
「どこをどうしたいのかにもよります」
「っていうかレイちゃんに頼んでいいの?」
「渚君君はとにかく言葉を慎むことを覚えてください・・・」
「何事も基礎から!とは言うし、水泳の知識はバッチリ叩き込んだんでしょ?」
「まぁそうですけど」
「確かに陸上やってた時もやけに角度とか気にして上手く飛べてた時もあったしね」
「いちいち渚君は僕の神経を逆撫でする発言をしてきますよね本当・・・。もう怒るのも疲れてきました・・・」
1人大ダメージを食らっている怜君はさておき。
江ちゃんの言葉に対し渚君も同調するような言葉を返す。へぇ、前は怜君陸上やってたんだ。
ぼんやり一年生組があれやこれやと私のために会話しているのを聞いていると、
「因みに、妙美さんの前の練習方法ってどんなのがセオリーだったんですか?」江ちゃんがそう聞いてきた。
「え?ひたすら泳ぐ」
「・・・尚更怜君が適任かもしれない」
「まさか最も理想的な泳ぎ方さえ、知らないんですか・・・?」
「うーん、ここで初めて泳ぎ始めた時くらいに渚君にクロールだけ直してもらったけど、基本考えたことない」
「信じられない・・・!」
怜君に未知の生命体を見るような目つきで凝視される。彼にとって私の考え方は今までにないものらしい。きっと相当論理的なんだろう。
「よぉし!」
渚君が声を上げる。
「じゃあ今日はレイちゃん家でみんなで1から学ぶ水泳理論教室だー!」
「ふっ、いいでしょう。貴方のその何も入っていない脳みそに知識という知識を入れて差し上げます!しかし僕の教え方はキツイですからね!」
「今私地味に貶された?」
またも遅れて2年組が来たところで、私達はいつも通り練習を始めた。
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