第2章 新しい景色達
「毎度思うけど」
凛さんが箸を止めて此方を見る。顔は微かに笑っていた。
何かと首を傾げながらも己が作ったと思えぬ料理を頬張る。
「お前って、いっつもマジで幸せそうに飯食うよな」
そんなに私、顔に出ているんだろうか・・・。
江ちゃんにも頻繁に感情を読まれることがある。松岡兄妹には特殊能力か何かあるのか・・・?
ゴクリと口の中のものを飲み込む。
分かり易いかと問おうと口を開くが彼はまたも先回りした。
「すっげぇ、顔に出てんの、わかる」くつくつと笑みだけじゃ止まらず笑い始める。
ひどい・・・。
彼の笑い方はケケケケケーとニヤつきながら笑う感じだ。(爆笑の時は豪快だけど)
それも合間ってかまるで目の前にバイキンマ⚫︎程度の悪役がいるようだった。
言わずもがなバイキンマ⚫︎って可愛いとかよりヘボいですので侮辱してますよ?(当然)
「肉料理だした瞬間口の牙をがばーってみせるみたいにニヤつくよりましです!」
口からでまかせ、であるのだが彼は図星をつかれたらしい。まるで私は前からそれを知っているような不思議な気分だった。
「あ、あれはっ・・・!」
「わーい肉だぁぁああ!!!って子どもみたいに目をギラギラさせて肉食獣ですかそれともお子ちゃまですかねぇ?!」
「ううるせぇ!!余計なとこまで見てんじゃねぇよ!あ゛ー!!ホントてめぇとなんか結婚すんじゃなかったぁああ!!!」
「ふっふっふいい度胸じゃそこまで言うなら離婚するか畜生!!!」
「ああお前の事なんてとっとと大嫌いになってやるよバーカ!ってかお前なんて嫌いだ!大っ嫌いだ!!」
彼がその言葉を吐き切った後の沈黙の期間。2人でギャンギャンやったのも一気に忘れて思考が止まった。
「・・・ぇ」小さく私は口にした。
「・・・あ」
目尻から溢れ出す何かは私の目をそこらじゅう熱気で包む。それは頬を流れるも私の急に沸騰した全身までも冷やすことは間に合わない。
まぁようは、私は急に泣き出したのだ。
(あれ?え?なんで?)