第2章 新しい景色達
我に返った私は彼に抱かれていると気がおかしくなりそうなのを察して、立ち上がりキッチンの方へと向かった。とにかく今は彼から距離を取り冷静にならねば。
朝ごはんの準備をしていれば落ち着けると思い、冷蔵庫を開ける。
中はとても整頓し尽くされ、スポーツ選手の妻らしく健康管理バッチリです!!と言いたげだ。
いくつかあるタッパーには付箋が貼られており、カロリー量など沢山の数値が書かれていた。
近くの小さな本棚には食事と体調管理についての本、身体と食事の関係性・・・うん、私は相当良妻だったらしい。
そうしてなんととても都合良くかつ偶然にも冷蔵庫に今日使わなければいけない食材や摂取カロリー、要は何を作らなければいけないかが明確に指示された紙が貼られている!
よっしゃあああああとりあえず場は切り抜けられそう助かったぁぁぁあああああああああ。
その紙の"朝"と書かれた欄のメニューを見る。
何ですかこの料理・・・(白目)
震えながら指示通りの食材を取り出していった。
リビングからは大きなあくびの呑気な音がした。
***
「いただきます」彼が言う。
「い、いただき・・・ます・・・」
不思議なことが起きました。
身体が勝手に動いたぁぁああああああああああああああああ!!!!!!!!ええぇぇえええええどういうことなのぉおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!
箸を震えた手で持ったまま、並べられている皿を凝視した。
あの後、材料を全てキッチンに出し切った途端。
私の頭には鮮明なビジョンが描かれていた。どう作るか、何を入れるか・・・宛ら以前作った料理のように、当たり前のように次々と作ったのだ。
気色悪っ!!!
あと美味しい!!!!何これ!!!誰が作った??!!!私か!!!!(茶番)