第2章 新しい景色達
夫婦らしい会話でもと思ったが私の思考回路が何一ついい言葉を出してこなかったので、夫婦であることを考慮しつつ普通に話すこととした。
私・・・自分の置かれている状況よくわかってない割に冷静だなぁ。
「・・・そうかよ」
「凛さー・・・凛も、嫉妬するんですね」
「は?別に、嫉妬じゃねぇよ」
わ・・・分かりやすい。
どうしてだろう、嫉妬って事が分かりやすいくらい心に飛び込んでくる。
それに少し吹き出すと、凹凸ある男らしい拳に小突かれた。顔真っ赤にして、バレていることに気付いているんだろう。
「ってそうじゃねぇ、あいつは何時に来るんだって」
「あ、はいごめんなさい・・・。12時半・・・だそうです。何かするんですか?」
「いや、ちげぇけど・・・なんで急に全文敬語だ?気色悪い」
い、いけない。さっきからつい癖が。
「癖癖〜・・・はは」
ふぅん、とだけ漏らして回している腕に力を少し入れ距離を近付けるよう引き寄せる。
最初は恐怖すら感じていたけれど時間が少しづつたつと彼に私からして異常な行動をされても嫌にならなくなってきた。
(私どうしちゃったの・・・)
いや頭では分かってるけど心ではわかってないというかこの違和感を心だけ受け入れ始めているというか・・・。緊張ももうない。寧ろあるのは安堵だった。
彼の大きくて凹凸ある手は、やけに暖かく安心をもたらした。恐る恐る彼の方に身体をあずけ肩に頭をもたれさせる。
凛さんと触れている部分が暖かい。人肌の温もり?それじゃあない何かだ。
「・・・ねぇ」
「なんだ」
「江ちゃん来るの、めちゃめちゃ楽しみなんでしょ」
「・・・」
先程からじわりじわりと思いついたことを口にする。返答を待っても黙っているので顔を伺うと、一つため息をつかれた。
「だったらなんだよ」明らかに声色は図星をつかれて機嫌が悪い、といった感じ。
「相変わらずシスコンー・・・・・・何でもないです」
「お前を嫁になんかすんじゃなかった」
そう言ってまた小突いてくる。今度は私を抱いていない方の手で拳を作りこめかみあたりをコツン。
本気じゃないんだろうけど、少し傷付いた。
・・・って待って私自身は彼とそんな深い仲になってはいないのだよ振り返れ自我を保てというかここどこ!?