第2章 新しい景色達
「そういえば、今日江来る日だったな」
チラと腕をズラして彼を見る。
しかし一番に飛び込んできたものに再び腕を元に戻した。
布団から覗く彼の胸筋。ストイックに鍛えられ形のいいそれは、とても直視できなかった。
(うわぁぁああああ)
「おい、マジでどうしたんだよ」
「うぅうう〜・・・」
どうしよう、頭がおかしくなりそうだ。
何が起きている?私は、私は七瀬家に居候していてそれで昨日もがんばって練習して家帰って寝てえーっと・・・。
というようにパニック状態になっていると、隠していた手を引っ張られ、彼に背を向けていたのに引き寄せられる。
凛さんとの距離はさっきでさえ近かったものなのに強引な力で密着に変わる。
「!!」
「顔真っ赤じゃねぇか。風邪か?」心配そうに眉にシワを寄せている。
「あ、ぁあ、あ、ああ・・・あのっ、えっと」
「・・・あー・・・昨日の夜の事思い出してんのか。ホンットいつまでも初心だな」
意地悪な笑顔が私をニヤリと見ている。
彼は私の腰あたりに手を添わせて抱き、益々寄せる。
「う、ぐ、あぁあ・・・!」
「キモい呻き声あげんじゃねぇ」
彼は呆れてそう言うと私の耳に己の唇を触れさせそっとつぶやく。
「どうせなら、昨日みたいに可愛くなけよ」
一切の恥じらいもなく、妖しく挑発的な声でそう言った。声色と耳に触れる吐息が色気を伝える。
こんな、こんな余裕ある彼・・・凛さんじゃない!!
軽く頭がショートしかけ、私はたまらず自分の一糸も纏わぬ姿など忘れてそこから出た。
「ぶっ・・・慌てすぎだろ!ぶぁははははは!!!」
「な、う、え!?」
急いだ故にベッド(今までベッドで寝ていたのか・・・)から落ちる。
彼は上から頬杖をついてこちらに向け大笑いしていた。私は震えながら彼の顔を見るしかすることができなかった。
彼は一頻り気が済むまで笑いやがると、こっちをジッと見たのち目を逸らした。
「・・・とりあえず着替えろ。早くしねぇと朝から無理させんぞ」
「!!!!」
私はその言葉で本能的にすぐ立ち上がってこの寝室(らしき部屋)の壁につけられたクローゼットを開けた。
待てどこに何がある!?
「そこ俺のクローゼットだろ」
「え!?あ、えぇえええ」
***