第2章 新しい景色達
聞くところによると、江ちゃんは一回目私が頭を撫でた辺りで起きていたらしい。
あまりに心地よかったもんだから目を瞑っていると兄の方が私と会話(コント)を始めた故に起きるに起きにくくなってしまったんだとか。
「ところで嫉妬がナントカってあれなんだったんですか?」
まぁあの会話を聞いていればそこにぶち当たるのも当然だろう。この間、本人に聞けと言ったことだよ!なんて言って勘づかれて彼女が兄をからかったりしたら大変だ。や、やらないかもしれないけどあの兄にこの妹、あり得ない話ではない・・・。
(そうしたら確実に・・・)
ジ・エンドオブ・私。
私はその質問を適当にはぐらかして(彼女に不服な顔をさせつつ)また元の話題へと戻した。
改めて彼に嫌われたくない理由を考えてみれば、先程凛さんの助言のおかげで加わってしまった理由の他にも、まだ彼に水泳を教わってみたいという自然な好奇心があった。
2人で並んで歩きながら同じ方向に頭を捻らせていると、江ちゃんが頭の上に電球を浮かべた。
「一緒にご飯食べたらどうですか?」
「な、何それ」
「だから夕飯の時間とか朝ごはんの時間を遙先輩と合わせるんです」
効果あるのか?と疑いの念を持っていると、彼女はそれを察知したのか付け加えた。
「よく言うじゃないですか、食事は家族一緒でとか!あれで家族の仲が関わるならご飯を一緒に食べることは少なからず一緒に食べる人との仲に影響があると思うんです!」
少し目を輝かせている彼女が可愛らしくて、思わずふふふと暖かな目線を送ってしまった。
私はハッとなってその意見を考え直してみる。
「・・・ああ、案外イケるかも」
「友好関係、とかはまた遙先輩の場合部長が関わってこないといけないような気もしますけど極端に嫌われることはないかもしれないですよ」
・・・よ、よし!
「頑張ってみる!」
「はい!応援してます!・・・でですね、ずっと気になってたんですけど嫌われてるってどの程度なんですか?」
私はそう聞かれ、走馬灯のごとくあのほろ苦く激辛ハバネロで苦しい日々を思い出し始める。そうすると自然と私の顔はどんよりし始めるようで隣で江ちゃんが心配そうにしていた。