第5章 さらば、もう一人の友よ
「何故君がこの世界にいるのだ!? 君はエドラスにいるハズだろう!?」
『?』
「まさか…私を追い掛けて来たのか!?
危険だからいけないと言ったではないか!」
『な、何の事だ?』
「確かに君はとても強いが無茶をするんじゃない!
これは私の問題なんだ! 私がやらねばならない事なんだ!」
『ちょ、おい! 何言ってんだよお前?』
「何って…」
『さっきから世界だのエドラスだの、何の事言ってんだ?
ブレインに頭おかしくされたか?』
「!? ま、まさか…しまった…」
ジェラールは頭を抱えて溜息を吐いてしまった。
「…君の名前を教えてくれないか」
『友人の名前をもう忘れたのかよ 俺はアギト・エリュシアンだ』
「…やはり…」
『やはりって何だよ 全然意味わかんねぇぞ』
「…アギト、落ち着いて聞いて欲しい」
突然真剣な顔になったジェラールに少し気圧され、黙る。
「私は確かにジェラールだ だがこの世界のジェラールではない」
『……』
アギトは自分の額とジェラールの額に手を当てた。
「ね、熱など出してないそ! 本当の話だ!」
『えー…世界って言われても…わかった 詳しく話してくれ』
確かに自分の知っているジェラールと目の前にいるジェラールは少し違う。
自分の事を"私"と言うし、匂いが少し違う様な気がする。
だから目の前のジェラールの話を真剣に聞く事にした。