第1章 strategie
「そうなんや。ファンなんだ。」
さっきまで、自分の行動全てに自信がなくて彼女の表情を伺うように接していたのに、ファンと聞いた途端にその全てがひっくり返った。
舞台上の狂気的な彼女に俺は恐怖心を抱いていたが、その彼女に勝ったというか、上回ったというか、とにかく優越感のような甘い考えを持ったのだ。
「へえー。じゃあ、今どんな気分?」
「あ…えっと…あの、すごく緊張します。」
「そっか。じゃあこうしたらどう?」
そう言って彼女の黒髪を耳にかけ、露わになった耳を指先でそっと撫でてみた。
漫画のようにびくりと反応するのを見て、くすりと笑いながら更にいじめる。
「どう?どういう感じ?」
「ぁ…//…えっと…んっ…くすぐったい…です。」
「え、それだけ??」
「え…は…はい…んっ//」
「嘘つくなよ。なんか急に声がエロくなってるけど。」
耳の淵が感じるみたいで、ゆっくりと反応を楽しむように淵を指でこする。
「ぁ…んっ…//ごめんなさい。…気持ちいい…ですっ…//」
こいつ絶対ドMだ。俺のツボを抑えすぎてる反応に、俺は異常なほど興奮した。