• テキストサイズ

【マギ】幸せを願って。~亡国の姫~

第17章 キユノ王国一団


セリシアside


今日はここまでにしよう、とセーカさんが言ったことで今日の会談はここで終了となった。
なんとも言えない気持ちで部屋を出た時。

「お疲れ様です、セリシア。」

すぐにジャーファルに声をかけられた。

「あ、ジャーファル…。隣の部屋で聞いてたんでしょ?」

「ええ。…どうする気なのですか?」

「どうする気なのって…。」

断りますよね?と言われるのかと思った。
別にいいけど、っていうかこっちの方がいいけども。

「断るつもり…かな、今は…。」

不思議なもので、ジャーファルがいるから国に帰るなんてできないはずなのに。
帰りたいなんて思わないはずなのに。
即決できない自分がいる。
故郷に帰ったほうがみんなのためになる。
そう考える自分がいる。

「…。」

優しく見守ってくれてるジャーファル。
大好きなのに、大切なのに。
この世で一番幸せにしたい人なのに。
置いていくという選択肢を浮かべている自分が怖い。
いや…怖いっていうか、悲しいっていうか。
感情ごちゃごちゃしてて、上手く言い表せない。
どうすればいい?
幸福とか、もうわけがわかんなくなりそうだよ。

「今日は、もう1日休んで下さい。」

ふいにジャーファルがそう言った。
/ 369ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp