第17章 キユノ王国一団
セリシアside
今日はここまでにしよう、とセーカさんが言ったことで今日の会談はここで終了となった。
なんとも言えない気持ちで部屋を出た時。
「お疲れ様です、セリシア。」
すぐにジャーファルに声をかけられた。
「あ、ジャーファル…。隣の部屋で聞いてたんでしょ?」
「ええ。…どうする気なのですか?」
「どうする気なのって…。」
断りますよね?と言われるのかと思った。
別にいいけど、っていうかこっちの方がいいけども。
「断るつもり…かな、今は…。」
不思議なもので、ジャーファルがいるから国に帰るなんてできないはずなのに。
帰りたいなんて思わないはずなのに。
即決できない自分がいる。
故郷に帰ったほうがみんなのためになる。
そう考える自分がいる。
「…。」
優しく見守ってくれてるジャーファル。
大好きなのに、大切なのに。
この世で一番幸せにしたい人なのに。
置いていくという選択肢を浮かべている自分が怖い。
いや…怖いっていうか、悲しいっていうか。
感情ごちゃごちゃしてて、上手く言い表せない。
どうすればいい?
幸福とか、もうわけがわかんなくなりそうだよ。
「今日は、もう1日休んで下さい。」
ふいにジャーファルがそう言った。