第17章 キユノ王国一団

セリシアside


「とにかく、セリシア。…もし、君にキユノ王国の誰かが脅迫をかけたら相談して下さい。…君は姫だけど、デアル王はキユノ王国に君を縛りたくないと思っていた。キユノ王国の命令に従う必要はないし、脅迫されれば君は彼らを裁く権利がある。」

…姫の権利、かな。
なんかすごい都合の良い権利だね？
姫と他の者でフェアじゃ全くない。
…そんな不公平すぎる権利をデアルが作ったの…？
信じられないんだけど？

「…もちろんこの人達はそんなことしないと思うけど、ね。…何か言いたそうだけど、どうかしました？」

「え？あー…。…デアル…王は、私の姫の権利をどんな想いで作ったのかなって。…そんな自分勝手な権利を作るとは思えなくて。」

「…そう、ですね…。僕は知らないですが…キユノ王国の皆さんはご存知ですか？」

それにはセーカさんが答えてくれた。

「確か…この勝手すぎる権利はセリシア様なら上手くやってくれるだろう…と。…信頼しておりましたよ。」

…信頼、か。

「…それで、願いに関してはちゃんと考えてあげてね。命令じゃないから、もちろん断ってもいいです。でも…直ぐに結論を出すことはしないであげて下さい。」

「どうか…お願いします。民の幸福のためにも…。」

幸福と言われキユノ王国の一団全員に頭を下げられれば、はいとしか言えなかった。