第2章 Opening
[再会]
「次の者、名を申してみよ」
護廷隊の総隊長、山本元柳斎重國がそう言うのと同時に、奈々美は前へ出た
「ハッ。この度十番隊三席になりました楠木奈々美です、宜しくお願い致します」
「いきなり三席?!」
「あの子じゃない霊術院の試験の時いつも主席合格する子って!」
その様な声が所々で聞こえる中、銀髪の髪、翡翠の目をした少年————日番谷冬獅郎もまた目を見開いて彼女を凝視していた
「奈々美…?」
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顔合せ会が終わり、集まった死神たちは自隊の隊長と共に各隊舎へ移動していた
冬獅郎たち十番隊も波に逆らわず外へ出たが、十番隊の今年の新入隊員が奈々美一人だった為、二人で隊舎までの道のりを歩いていた
「まさか昔あんなに泣き虫だったお前が死神になって、ましてやいきなり三席になるなんてな。少し驚いた」
「泣き虫は余計!っていうか冬獅郎の所に入隊の書類来てなかったの?」
「あぁ。来てたんだが俺が見る前に副隊長に取られてな」
「…それっていいの?」
「馬鹿。駄目だそんなの。だから今月の給与を三分の一に減らしといた」
「うわー、可哀想。やる事えげつないねぇ冬獅郎は」
「うるせぇ」
そう言うと、奈々美の額を手で軽く叩いてきた
元々身長差のない二人は流魂街にいた時かも周りから小さい二人組として扱われ、奈々美にとって幼馴染みの一人である五番隊の雛森 桃は姉的存在であった
彼女は未だに四番隊で深い眠りについているが…