第3章 神無の弓道部。
「大丈夫か?何があった?」
そういうと、遥くんは私の背中をさすってくれた。背中をさする手がどこか母さんの手に似てる気がした。
「話せるなら話して。そしたらスッキリするよ。」
私は泣きながら話した。
「私、一週間前に母を亡くしたの。弓道も幼い頃から母に教えてもらって、やっと自分のスタイルを確立できた。その矢先、亡くなって・・・。」
「それはつらいよな。どうでもいい話なんだけど、俺さ、小さい頃に両親が事故で死んじゃったんだ。俺を守って死んだ。自分が呼び掛けても返事をしない両親をみて、これが[死ぬ]ってことなんだって思った。なんとなく、花の気持ちはわかる。でも花の母さんのためにもこれからは花が頑張って生きなきゃ、花の母さんだって浮かばれないだろ?」
「うん・・・。遥くん、ありがとう。」
そうして私は遥くんと一緒に寮に戻った。寮はクラスごとに建物が別れていて、私の周りの部屋は遥くんや三浦、葵だった。心強いような心地よいようなそんな気持ちになった。