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死のゲーム

第1章 神無学園へ


母さんの実家。懐かしい。小さい頃に遊びに来てから一度もきていない。やっぱり、道場特有のカビくさい臭いが残ってる。ずっと前の防具だってとってある。この道場の陽のあたりかたはいつ見てもきれい。こんなにいいところにあったのに、なんで別のところに移しちゃったんだろう。でも、いつまでもここにはいられない。いつまでも思い出に浸ってる場合じゃない。ここの鍵はもう私しか持ってない。歩き慣れてない街を一人で歩く。こんなに哀しいとは思わなかった。何年か前までは、この街を母さんと歩いていたのに。母さんの急死。それは私も父さんにとっても思いもしないことだった。あまりにも急すぎて、涙も出なかった。あれ以来、私はなぜか嘘をつくようになった。本心を言いたいのに、言ってしまったらまわりにいてくれる人達がみんな離れていってしまいそうで、怖い。この街は朝なのになんでこんなに明るいんだろう。この雰囲気で人も明るくなるのかな。私も明るくなれるかな。
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