第18章 卒業式
麻弥「ふぅ~…三年間早かったね…」
「うん」
麻弥「なんか思いだすな~…時音と始めて喋ったときのこと」
「確か、麻弥から話し掛けてくれたんだっけ」
麻弥「そうだよ、時音ったら体育の時とか移動教室の時とか、南野くんといる時以外ずっと一人だったんだもん」
そう、あれは私が一人本を読んでいる時だった。
神社の事に関してもっとよく知識が欲しかった私は、休み時間を使って図書室で借りた本を読んでいたの。
そしたら、
麻弥『ねぇねぇ土御門さん、なんの本読んでるの?』
『あ、喜多島さん。コレ?私、家が神社で…だからもっと神社の事に関すること、色々と知っておきたいから』
麻弥『家が神社…。ってことは、土御門さんって巫女さん!?すご~い!!
あたしね、お化けとかホラー系とか大好きなの!!
巫女さんってやっぱりそういうのに関係してくるの?』
『うん…まぁ…』
麻弥『やっぱり!!ねぇねぇ色々教えてくれない?
あ、あたしのことは"麻弥"って呼んでね!!あたしも時音って呼ぶから!!』
それから仲良くなったんだ…。
懐かしい…。
「そういえば……生徒会に推薦したの、麻弥だったよね」
麻弥「え!えっ、え~~~そうだったかな~ハハハ」
「誤魔化しても無駄です」
麻弥「アハハ、やっぱり時音には敵わないよ~」
「いや、今のは分かりやすかったから…」
本当に、時間が過ぎていくのは早い。
麻弥と話してもう二時間程経ったんだから。
麻弥「時音、あたし時音と仲良くなれて良かったよ」
「私も、麻弥。今までありがとね」
麻弥「こちらこそだよ、ありがとう。受験合格したのも時音が勉強見てくれたからだし、他にもいっぱいお世話になったから」
「ホントッ、その通りよ」
麻弥「え!!そこは雰囲気を読んで否定するくない!?」
「世の中甘くありません」
麻弥「手厳しいな~………。時音、高校行っても元気でね」
「麻弥もね」
麻弥「うん!!また同窓会とかで会おうね!!
バイバイ!時音!!」
「またいつかねー!」
手を振りながら走って去っていく麻弥に手を振り、私はしばらくその場に突っ立っていた。