第16章 Christmas date
オレが時音を強がりにさせてしまったんだ。
オレが時音を避け続けたことが原因で、オレに迷惑をかけないために……。
だから、自然と強がるようになった。
時音「もう…ヤダ…。私、私……」
「時音」
時音「…………何?」
「突き放してごめん。辛い想いさせてごめん。強がらせてしまってごめん。今まで……本当にごめん…」
時音「…………」
「オレのせいで、時音は今までずっと我慢してくれて……。
もう絶対に手離さない、オレはキミだけだ。今まで辛い想いさせた分…今度は、思い切り愛するから。
だからもう我慢しないで、素直になって」
時音「……うぅ……ひくっ……蔵、馬ぁ……」
オレはそっと時音を抱き締めた。
どこにも行かないように、もう離さないために……強く、強く抱き締めた。
「無理せずに、これからはオレの腕の中で泣いて。
それからそんな可愛い顔、絶対にオレ以外の男に見せないこと」
時音「……うん……う、ん……」
それからオレたちは、しばらく抱き締め合っていた。
お互いの存在を確かめ合いながら。