第16章 Christmas date
私と蔵馬はそのまま店を出て、街中を歩く。
時刻はもうすぐ三時。
ファミレスで昼食をとったのはいいけど、その間私たちの間に会話がなかった。
今だって、会話がない。
どうしてデートの日にこんな…。
?「アレ?時音と南野くん?」
前の方からから聞き覚えのある声がした。
「麻弥……」
麻弥「二人揃って、もしかしてデート?いいなぁ~」
「いや、コレはデートじゃなくて…お出掛けしてるだけ!
」
麻弥「そんなこと言って、デートなんでしょ?二人付き合ってるんだし。
ホント、時音って強がりだよね!ね、南野くん」
蔵馬「え…あぁ、うん。そうだね」
麻弥「ほら、南野くんだってそう言ってるもん」
「強がりじゃない!!」
もう何なの!?
蔵馬といい、麻弥といい…!!
麻弥「じゃあ二人とも、残りのデート楽しんでね!!
じゃあまた来年ね~」
「うん、また来年。よいお年を!!」
軽い挨拶を交わしてから、麻弥とは別れた。
また私たちの間に沈黙が訪れる。
チラッと隣にいる秀一を見ると、麻弥が歩いて行った方向をジッと見てる。
蔵馬「…………。」
「…………ねぇ、秀一」
蔵馬「……ん?」
「一つ、聞いていい?」
蔵馬「……何?」
「……秀一って本当は、麻弥のこと好きだったんじゃないの?」
蔵馬「っ…………」
ずっと聞きたかった。
蔵馬を疑っているわけじゃない。
けど……
蔵馬「……人気のないところで話そうか」