第5章 君だけ
パンダも朝練についていき、私は少し、この気持ちを落ち着かせてから行くことにした。
振り払ったはずなのに、未だに黒い感情が渦巻いている。
俯くと、ゆらゆらと揺れる、自身の影が見えた。
この影――感情に左右される……なんて、誰にも言えない。
恵はこんなことないのにな……。
少し深呼吸をしてから、窓を開けた。
「棘ー!みんな朝練行ったけど、行く?」
「しゃけ」
窓から外に出て、如雨露を片付けようとする棘についていく。
「憂太、強かった?」
「しゃけ、高菜」
強いけど、まだ心配なところはあるそうだ。
「そっか」
そのまま、棘と話しながらグラウンドに向かった。