第3章 約束の再会
夢主side
「よお、転校生!見学か?」
「うん。少しだけね」
同じクラスに居た彼も野球部だったらしい。
「野球興味あるのか?」
「昔、少しやってて」
「まじ!?ポジションは?」
「一応、キャッチャーだったよ」
「……あー、ね。ぽいぽい!」
「おい!倉持!いつまでサボってんだよ!」
「うっせーな御幸ー!じゃ戻るわ!ゆっくりしてけよ転校生!」
私が野球をしていた話を出したら倉持と呼ばれていた彼の雰囲気が少し変わった気がした。
しかし、私はそんな事忘れて倉持くんを呼んでいた声の主の方を見た
御幸side
倉持があいつと話してる姿にイライラして呼び戻してしまった
「おせぇんだよ」
「なぁ、お前、転校生の事知ってるだろ」
「知らねえ」
「いやいや絶対嘘だね」
「知らねーって」
あー、呼び戻すんじゃなかった。
そう思っていたら
「御幸って、もしかして……御幸一也?」
夢主side
もしかしたら――
気がついたら倉持くんの後を追って声をかけていた。
「……知らね。誰それ」
そっぽ向きながらそう返された。
「ぷっ……はっはっははは。それは無理あるって」
昔と変わってない。その不貞腐れた顔に私はつい笑ってしまった。
「なんだよ、やっぱり知り合いじゃねぇか」
「……うっせー」
「なんでもいいけど、逃げんなよ御幸」
黙った御幸の姿を見てなにか察したのか、倉持くんはそう言って先に練習に戻った。
「……久しぶり。御幸」
「久しぶり」
「もしかして、拗ねてる?」
「拗ねてない」
そう言いながら御幸はレガースのバックルを乱暴に留めた。
しかし、視線は一度もこちらに向かない。
「ごめんね約束、途中から守れなくて……」