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約束の行方【御幸一也】長編

第7章 約束の結末


「お前らもキャプテンの苦しみ味わえよ……」

力なくそういうと

「御幸がとうとう痛みで頭おかしくなった!!」
「落ち着けよゾノ」

倉持が口を開く

「元々こんな感じだったろ」
「そんなことないで!!もっと自信家でめんどくさい奴だ!」
「え、なに?俺悪口いわれてる?」

周辺の空気が和む。
つられて俺たちの表情も自然と明るいものになる。

「まぁでも」

ふいに倉持が話し出した。

「お前がいなきゃここまで来れてねぇよ」

その言葉に
思わず足が止まりそうになる。

倉持はこっちを向くことなく
言葉をつづけた。

「今だけはいくらでも弱音聞いてやるよ」
「……!そうだぞ!いくらでも吐け!」

倉持のその言葉に
一瞬の間をおいてゾノも続ける。

「……今だけかよ」

自然と笑いがこぼれた

その瞬間
胸の奥に張りつめていた何かが少しだけ軽くなった気がした。

夢主side

閉会式後、病院へ向かった御幸達を一足先に寮の食堂で待った。

……ガチャ

「おー!豪華だな」

豪華な料理と飾り付けの中で部員たちと祝勝会を始めていたところに
入ってきた御幸たち

「おかえり!」
「遅かったから先に始めてたよ」

皆、口々に三人を出迎える

そんな中――

「怪我の具合はどうだったんだ?」
小野くんの声に空気が一瞬で引き締まった。

少しの沈黙の後、口を開いたのは倉持くんだった。

「軽い肉離れで、一週間の安静だってよ」

そう言った目線の先には、頬をかく御幸の姿。

「ってことは……」
小野くんの反応に全員御幸へ視線が行く。

「あぁ。センバツには間に合う」

御幸がそう答えた瞬間――

「っしゃあああ!!!」
「うぉぉぉぉ!!」

食堂中に歓声が響いた。

「小野、心配かけたな」
「よかったよ、俺一人であのバケモン二人の世話は無理だ」
「誰がバケモンですか!!」

捕手同士の静かな会話から
沢村くんの乱入でいつもの空気に戻る。

その光景に、張っていたものがようやくほどける。

……よかった。

心の底からそう思った。

「ちょっと外の空気吸ってくるね」

一緒にいた唯ちゃん達に声をかけて
私は御幸たちのいる方と反対の扉から外へ出た。

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