第7章 約束の結末
夢主side
あれ以降、御幸は
「ゾノ、倉持、ちょっといいか」
練習終わりに副キャプテン2人を呼び、話し合いをしている姿を見る事が増えた。
時折、言い合いになってる事もあるみたいだけど、
3年の先輩達も通った道だと貴子先輩に聞いた。
ふと、あの日の事思い出す
――「周りをもっと頼っていいんじゃない?」
その時に比べれば
……少しは、マシな顔になってきた。
まだどこかぎこちなさが残る背中。
だからこそ、支えたい――
「よし、今日は……」
秋の大会で当たる可能性のあるチームのデータをまとめる。
次は負けないために。
御幸side
新チームでやる事が見えてきた頃、
3年生との引退試合が決まった。
「時期早くねえか?」
「多分だけど、監督が俺らのケツ叩くようにお願いしたんじゃねえかな」
練習終わりに副キャプテン2人とミーティングをした。
実際、秋に向けて課題はまだ山積みだ。
沢村のイップスに、得点力不足。
守備のエラーもまだ多い。
それよりも気がかりなのは……
「つーかさ、なんでわざわざ外部コーチ入れたんだろうな」
「それな、ワイも気になっとった」
片岡監督は、多分……
いや、まだ憶測に過ぎない。
一瞬だけ考えるが、口を閉じた。
「……まぁ、いいだろ。今は」
俺らは引退試合の作戦の方向性を決めてその日はお開きにした。
そして、引退試合当日――
裏でどんな意図があろうが、これがあの人達と同じグラウンドに立てる最後の試合。
……だからこそ、半端なことは出来ねぇ。
「3年の先輩たちに悔いを残させないように全力出し切ろうぜ!!」
「おー!」
その掛け声で試合は始まった。
――はずだった。
序盤から主導権を握ったのは3年生チームだった。
守備もバッティングも1枚上。
俺たちは食らいつくので精一杯だった。
2回表、初球のカーブを叩いて出塁する。
ふと目をやったベンチが騒がしい気がした。
――と思った瞬間
「ナイスバッチ」
「まだまだですよ。哲さんみたいな四番バッターには程遠いし」
なにより――
「キャプテンとしてチームまとめれてる自信もないです」
そう言うと、哲さんは一瞬だけ黙った。
「苦しい時ほど、顔に出すなよ」
低く、重たい声。
「キャプテンで迷うとチームが揺らぐぞ」
そう言った視線に、言葉を失った。