第6章 約束の行方
御幸side
話を聞くつもりなんてなかった。
そろそろ終わる頃だと思って勝手に迎えに来ただけのつもりだった。
でも――
足を止めたのは偶然聞こえた声だった。
「私はね、誰かに連れて行って欲しいわけじゃないの、自分の足で行きたいの、青道《ここ》で……御幸と一緒に」
何言ってんだあいつは……
心臓の音がさっきより、やけにうるさくなった気がした。
俺はこれ以上この場にいられないと思い、全然違う方向へ足を向けた。
鳴side
ほんとにユキは真面目だ。
約束だと言えばきっとどんな事も守ろうとする。
だからこそ、俺が守りたい。
そう思ったのに……
どこに行くんだよ――
やけにユキに対して過保護だったから、きっと迎えに来てると思ってた。
しかし、視界に見えたあいつは、こっちに背を向けて歩いていっていた。
俺はユキを見送ってから、そいつの後を追った。
御幸side
「よぉ、一也」
聞き覚えのある声に、足を止めた。
「……なんだよ」
振り返ると、さっきまでユキと話していたはずの鳴がそこに立っていた。
「ユキは?」
「さっき帰ったよ、つーか!話聞いてたろ」
「……さぁな」
俺がそういうと、鳴は一瞬だけ目を逸らしてから
「まぁ、どっちでも良いけど――俺は諦めないし。あいつの事」
強い目をしてそう言い切った。
「一也との約束とか俺には関係ないし、欲しいものは取りに行く」
俺は小さく息を吐いてから鳴に背を向け歩き言った。
「好きにすりゃいいよ――ただ」
……絶対渡さねえ。
「簡単に俺から取れると思うなよ」
俺はそう言ってユキの帰った方へ向かった。