第5章 約束を乱すもの
ユキが鳴に手を引かれそうになった時も、
連絡先交換しようとしてた時も――
気が付いたら体が動いていた。
倉持の言う通りだ。
ただの幼なじみなら、あんな風に割り込む必要ない。
近すぎる距離感にイラつきを感じる事だって……
無意識にバットを握る手に力がこもる
あいつに触れられるのが、なんか嫌だったってか……
何様だよ、俺は。
「ちっ……めんどくせぇ」
俺がため息をつくと
「やっと気が付いたかよ」
と知ってたぞ感で話してくる倉持。
「……うるせぇって、早く寝ろよ」
そう吐き捨てて、バットを担いだ俺は明日に備えて部屋に戻る――
その頭の中からは、ユキの顔が離れなかった。