第3章 デート
人の流れに入る
向こうから、女の子たちが通る
サンジの視線が、一瞬だけそっちに動く
口が、開きかけた
「……」
でも、そのまま閉じる
何も言わない
代わりに、少しだけ息を吐く
そのまま歩き続ける
みかは気づかない
ただ、隣を歩いている
人の波に押されて、体が揺れた
「危ねェな」
低い声
サンジに手をひかれ気づけば、すぐ近くにいる
思っていたより、距離が近い
「……すみません」
「謝るなって」
軽く言う
でも、手はすぐには離れない
ほんの少しだけ、そのまま
…ゆっくり手が離れる
そのまま並んで歩く
さっきより、少しだけ距離が近い
理由は、まだない
でも
離れる理由も、なかった