第11章 出港★
火の音と、笑い声。
杯がぶつかる
「おい」
横から差し出される
ゾロの手
中身は、なみなみ
「飲め」
みかは、少しだけ迷う
「いいじゃない、今日くらい」
後ろからナミの声
肩を軽く押される
「ほら、歓迎なんだから」
断る間もなく、手の中に収まる
周りでは、笑い声が続いている
そのまま口をつける
少し強い
でも、飲み込む
「おー、いいじゃねぇか」
ゾロが笑う
「もう一杯いっとく?」
ナミが楽しそうに覗き込む
もう一度、差し出される
今度は迷わない
そのまま口に運ぶ
少しだけ、足元が軽くなる
周りの音が、わずかに遠い
笑い声は変わらないのに、少しだけ滲む
視線が揺れる
その中で、ひとつだけ
サンジの姿が、少し離れた場所に見える
こちらは見ていない
それでも、ふと視線がかすめる
すぐに逸れる
また、騒がしさに飲まれていく