第8章 買い出し
港町は、昼の光で明るく広がっていた。
海風が通り抜けて、店の声と波の音が混ざっている。
サンジは空を見上げて、軽く息を吐いた
「……いい天気だな」
何気ない一言。
隣を歩くみかは、小さくうなずく
「うん」
それだけで並んで歩き出す
目的は買い出し。
メモを見ながら、必要なものを順に回るだけの時間
魚屋での買い物はすぐに終わった
サンジは中を見て、迷わず決める
「これでいい」
袋を受け取って歩き出す
みかはその横を少し遅れてついていく
通りはまだ賑やかで、すれ違う人も多い
会話は短いまま
「次、こっちだな」
サンジが軽く道を変える
みかは何も言わずについていく
パン屋の前。
焼きたての匂いがふわっと流れてくる
サンジが足を止めた
「……これ焼き立てか」
何気なくひとつ選んで、歩きながら半分にちぎる。
「ほら」
「ありがとう」
サンジはそれ以上何も言わずに歩き出す
ほんの少しだけ口元が緩む
通りを歩く。