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【H×H イルミ 】黒と白のアリア 

第1章 霧の屋敷の黒い旋律


今度は少し長い旋律。
高音が明るく跳ね、低音が優しく支える。
即興で作られたその曲は、驚くほど調和が取れ、聞く者の胸に光が差し込む。
家族中の視線が集中する中、キルアはまるで生まれつき音楽を知っているかのように、自由に音を紡ぎ出した。
ただ一人、イルミだけが少し離れた窓辺に立ち、指先を窓枠に触れたまま動かなかった。
明るい旋律が部屋に満ちるほど、イルミの瞳の奥はますます深い闇を湛えていくように見えた。
ニナは、胸の奥が静かにざわつくのを感じた。
イルミ様は、この旋律をどう感じているのだろう……と。
軽やかな旋律が、部屋の空気をいつになく柔らかくほどいていく。
——それでも。
ニナは、窓辺に目を向けた。
イルミは、変わらずそこに立っていた。
窓の外ではいつものように霧が濃く這っているのに、その日、屋敷の中には確かに光が差していた。
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