第3章 色づいて、舞い踊る
「じゃないとお前、チーム組んだら自分が大変な思いするぞ」
「はい?」
迷子になりそうな広大な本部基地。訓練場から食堂に繋がる廊下は、左右にあと3回曲がる。その一つ目を左に曲がった時、聞き捨てならない言葉が、太刀川さんの口から簡単に音になった。
なに?
今なんて言った?
チーム?
なにそれ。
太刀川さんの横顔をこれでもかってぐらい凝視。それに気づいて、あぁ、そういえば言ってなかったな。
この人のこう言う時は、良く知ってる。嫌になるほど知ってる。
忘れてたわ。さらっとそう言ってのける事象ほど重大なものが多いことを。
「ぜっったいイヤです!」
「また出たお前のイヤイヤ期」
抑えたつもりの声は、自分が思ってるより大きく廊下に響いた。話の腰を折っちゃ悪いと思って最後まで聞くに徹した結果、たまった感情が言葉と一緒に出てしまった、それだけのこと。
ていうかイヤイヤ期ってなんだよ。
あたしは赤ちゃんか。
「それ絶対組まなきゃだめなんですか」
「ソロでもいいけど、組んだらランク戦できるしそっちのが楽しいだろ」
「楽しさは求めてない」
「それにどっちみち任務出だすと最初は必然的にどっかの隊にくっついて動くことになるだろうし」
「………」
「毎回ちがうヤツと組んで気ぃ張るより、ずっと同じメンツと腹割るほうが楽だと思うぞ」
確かにそうだ。任務をこなしていけばそれなりに見知った関係、にはなるだろうけど、その度に気を揉むのははっきり言ってキツい、かなりキツい。
夏休みの宿題の如く。それならいっそのこと、初めに頑張って後ラクなほうがいいような気もする。